Appleがゴールドマンにクレカ提携解消提案…

2023年12月5日(火)
アップルが米金融大手ゴールドマン・サックスに対し、クレジットカードと預金サービスの提携解消を打診したそうです。

Apple、ゴールドマンにクレジットカード提携解消を打診 米報道 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

今年の4月に開始されたアップル預金、最初の4日間で9億9000万ドル(約1360億円)もの預け入れがあったとブログで紹介したばかりですが、早々にサービスの基本提携を解消するようです。本田伸孝のつぶやき (hfmc-honda.com)

アップルのサービスは、アカウントに紐づけされた銀行口座やApple Cashの残高から入金や送金が無料ででき、後払いサービスも利用できるのですが、預金サービス提供により、「製品・サービス販売」「決済」「貯蓄」「ファイナンス」の全ての機能がアップル経済圏で利用できる環境が整ったのではないかと思っていたのですが、想定したほど普及しなかったのでしょうか。
おそらく、利用対象者が「米国在住者でApple Cardを契約しているユーザー」と限定的であったことも影響しているのでしょう。

スマホ市場が成熟の域に入っている中、決済サービス「アップルペイ」 などiPhoneを使ったサービス事業を強化しているようですが、世界的規模での事業化を考えると、各国の金融制度との関係等も考慮する必要があり、想像以上に難しいのでしょうか。
また、通常の銀行預金よりも高い金利を付与するモデルであったことから、コスト負担を考えると金融事業全体としての収益事業化が厳しかったことも予想できます。

それにしても、新規事業への参入に対する評価に関しては、米国企業の判断が想像以上に速いのには驚きます。日本では、新規事業を開始した後、事業からの撤退も含め見直しをするとしても、相応の期間の実績を見た上で判断するケースが大半であり、ある意味「機を逸する」ケースも多々あるのですが、米国の企業は、様々なケースを想定した事業プランをしっかり立てているからですかね。。。

国内でも、携帯キャリアであるドコモ(=じぶん銀行)やソフトバンク(=PayPayi銀行)も独自のクレジットカードと銀行預金とを連携させたサービスを提供していますが、普通預金金利は0.001%という状況であり、既に取引のある銀行預金から乗り換えるメリットが低いことから爆発的に拡大している訳ではないのが現状でしょう。

また、国内の統計を見ていると、高齢化が進む中でもスマフォ市場は成熟期にあうようで、今後は、デバイス端末であるスマフォで利用できるサービスの種類と質を如何にして高めるかという「サービス化」へ対応できるか否かがポイントになるようにも思います。
その際にも、端末販促のための利便性を提供するだけではなく、やはり「マネタイズ=収益事業化」をどのように実現できるかが重要になるのではないでしょうか。そういう意味で、最近、ドコモなどファイナンス機能を取り入れているのは、収益性を確保することが目的なのでしょうか。

 

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