スマホ送金「COTRA」開始の記事です…

2022年10月9日(日)

メガバンクが主導する、スマホプリを利用した個人間少額送金サービの提供が11日から開始されます。

スマホ送金「ことら」11日開始 3メガバンクなど20行参加: 日本経済新聞 (nikkei.com)

決済サービスに関連するコメントは、8月18日のブログでも「本田伸孝のつぶやき (hfmc-honda.com)」記載しましたが、どれくらい普及するのでしょうかね…
銀行振込のように口座番号ではなくメールアドレスや電話番号で送金ができるものですが、基本的には「ことら」のサービス基盤に登録された複数のアプリ間での利用がベースになり、現時点では、記事にあるアプリの他は地方銀行(広島・福岡・十八・熊本)が提供するアプリのようで、今後、他の地方銀行も参加したとしても、これまでの銀行間送金を凌駕するまでに拡大することは難しいのではないでしょうかね。
そもそも、各銀行が提供するアプリがどれ位普及しているかにもよりますが。。。

また、米国でも同様のサービスが提供されているようですが、今年に入り不正利用が急拡大しているという記事があります。
米送金アプリのゼル、「不正被害急増」 米議員調査: 日本経済新聞 (nikkei.com)
銀行口座が紐づけされていることら、不正に引き落とされる可能性があるようです。米国では、銀行側は不正引き落とし額は全額補償する扱いのようですが、今回「ことら」が提供するサービスの場合、補償範囲はどうなんでしょうか。「ことら」の運営サイトのページでは詳しく述べられていないようです。(よくある質問 | ことら (cotra.ne.jp)
口座番号や携帯電話番号、メールアドレスを登録することが使用する際の要件になっているようですので、ショートメール等を利用した詐欺行為により振込させられる可能性があるということは想定されていると思います。利用金額の上限が10万円と少額であり影響は小さいと考えていると仮定しても、同一日に複数回の利用はできない等の回数制限を設けていないのであれば、高額の利用になる危険もあるはずです。

利便性のみを前面に出した告知になっていますが、安全面等に穴は無いのでしょうかね。アンチマネロン対策の強化が指摘され、資金移動業者に対する管理体制の強化を求めている状況でもあり、銀行が主体になるサービスでもあり広義の安全対策はしっかりできていることを期待したいものです。
今回のサービスは、銀行間の振込手数料が高いという批判に対処することも一つの要因としてありますが、やはり、サービスを先行する資金移動業者対策がサービス化の目的と考えることが妥当ではないかと思います。銀行のネットバンキングアプリと連携することも視野に入れているようですが、記事の最後にもあるとおり、少額資金決済の主役になることは難しいのではないでしょうかね。

 

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