価値創造ストーリーによる事業計画の立案方法

 会社経営を考える場合、事業規模の大小にかかわらず「将来における自社のあるべき姿」を明確にし、それを実現するために「何をしなければいけないのか具体的な方法」を時々の情勢を見ながら常に考えなければなりません。「あるべき姿」と「行動すべき方法」を明らかにするためには、現在の会社の実態がどのようになっているのか、正しく理解することがポイントとなります。

 最終的に目指すべき経営目標を実現するために何をすべきか、会社経営上の優位性要因、SWOT分析に基づく「攻めの戦略」と「守りの改革」をベースに、事業拡大を実現する事業計画立案の考え方について解説します。
事業を続けている場合、過去から現在までの経過を踏まえ、現在から将来に向けた予測をたてることになりますが、これまで会社としての価値をどのようにして創り出してきたのか、今後どのようにして新たな価値を創り出すのか考えることになります。正に、価値創造スト―リを再検証することに他ありません。

 これまでの事業活動の実情はどうなのか、更に、現時点の市場における実情はどうなのか正しく捉え、今後、何をすべきか明快な方向性を導き出すことです。つまり、現在の会社のポジショニングを「事業プラン」と「市場調査」から明確にし、新たな行動計画を立案することです。

                

 現在の状況を正しく捉え、更なる事業の発展を目指すための検討方法として、ポジショニングマップという考え方があります。
 これは、現在の業種・業界や業態において、自社の製品・サービスが、市場の動向や顧客ニーズのどの部分を捉えたものなのかを表すものです。今までの事業で主にターゲットとしてきた顧客とそのニーズ・要望、更には競合とする会社との関係を的確に整理し、事業分野としてきた領域(ドメイン)を明確にするもので、今後、事業を更に成長させるために「何をすべきなのか!」客観的にとらえることができます。

 自社の考える事業コンセプトをベースに、これからの事業の領域(ドメイン)を見極める要素を2つの軸を見出しとして捉えます。例えば「価格の高低と品揃えの広さ」や「対象顧客層の分類とサービスの質」など2つの軸からマトリックスを作成し、4つの事業領域を確定します。
 今後、新たに展開しようとする事業(製品・サービス)や競合となる企業や店舗がそれぞれどの分野に属するかマッピングをします。それにより、今後の事業の領域が市場として形成されかつ将来性があるのか、競合者と重ならないかなど事業性を確認することができるのです。

                        

 つまり、経営者は常に「いかに差別化し売上をあげるか」という問いに対して、どのような視点で市場を作りだすか考えなければなりません。しかし、それらの要素は単なる差異だけでなく、顧客=消費者にとって価値を持つものでなければ意味をなしません。自社がターゲットと考えている顧客が求める購入決定要因=(何故、購入・利用するのか?)を見つけ出す必要があるのですが、 多くの場合、「価格」が片方の要素となります。一方、消費者の立場に立って、消費者が何を望んでいるのかを客観的に見極め、マーケティング理論で使われる「3C(Customer顧客、Company自社、Competitor競合)」や「4P(product製品、 price価格、 place流通、 promotion販促)」を参考に考えるべき要素を抽出するのが効果的です。

 要素を二つ選択できれば、一つの要素を縦軸に、もう一つの要素を横軸に置けばよいのですが、選択する2つの要素は相関が強すぎると意味が薄れてしまうので、バランスを見ながら競合相手や自社が該当する部分をマッピングする必要があります。複数のポジショニングマップを作製することで、経営資源をどこに集中して投下していくべきかがよく見え、市場の空いている領域を見つけ、無駄な競争を避けたビジネス計画を立案することができるのです。小さな会社が市場で存在感を増すには顧客=消費者が価値を感じるところに資源を投入し、それ以外の部分に資源を投入するのは避ける必要があります。一般的には、低価格、高品質という分かり易いところに提供側の視点はいきますが、なぜ顧客=消費者はその商品を買うのか、サービスを利用するのかという根本的な課題を明確にする上では重要な検討手法です。

 以上の分析から、対象とすべき顧客は誰なのか、どのような商品やサービスを提供すべきか、新たな事業の方向性はどうあるべきか…新たな価値の創造分野を見極めることができます。
 しかし、新たな価値を創造するための具体的な計画策定にあたっては現状把握→課題・問題の洗出し→改革テーマの選定→事業計画の立案→資金損益見込の予測というこれまでのステップをもって体系化し、最終的には実行に移すための方法論を確立しなければなりません。

  • 現状把握〜改善の可能性の見極め(取引先関係・ビジネス俯瞰の見直し)
  • 改善の方向性の見極め(SWOT分析による改革方針)
  • 財務体質の改善(財務体質改革による資産規模の最適化)
  • 資金収支黒字化への改善(生産性改善への方策)
  • 主要取引先、関連企業との協力関係強化(事業支援の可否および協力要請)
  • 償却前利益による事業価値予測(内部留保、余剰金の引上げ)

 つまり、どのような方向に向かうべきなのか判定する上でも、会社としての目指すべき方向性による事業創造テーマに沿ったアクションプランを纏めることが重要であり、以下の3つの項目について「誰が、何時まで、どのように実行するか」具体的な目標値を定めることが必要になるのです。

  • 組織体制面…人、物、金、関係者、情報という経営資源である内部環境上の課題を明確にして、具体的改善・改革項目と改善・改革目標を明確にします。
  • 事業活動面…取引先との関係も含めた事業活動上の課題を外部環境上の課題も考慮した上で明確にし、具体的な改善・改革項目と改善・改革目標を明確にします。
  • 財務体質面…経営資源そのものの効率化と資金収支改革に必要な課題と解決策を明確にし、具体的対策と目標を明確にします。
 

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